この手を離さない
お母さんと光輝はすごく仲がよくて、さっきみたいな光景は毎朝の恒例になっている。



娘のスーツ代を預けたり、夕飯の話をしたりするのは、本当に光輝を息子のように思っている証拠だ。



そもそも、秋元家と泉田家自体が家族ぐるみで仲がいい。



きっと、今夜は私と光輝が留守だからと、2組の夫婦で飲みにでも行くに違いない。



あーあ。



光輝が本当にうちの息子になってくれればいいのに。



そして、お母さんのことを「おばちゃん」じゃなくて「お義母さん」って呼んでくれればいいのに。




そして、そうなったら当然私も光輝のご両親を「お義父さん、お義母さん」と呼ぶわけだ。



 
< 32 / 191 >

この作品をシェア

pagetop