この手を離さない
「お疲れ様でした!」



午前中で部活は終わり、私と未央は後片付けに奔走する。



先輩マネージャーは昨年引退し、その後下級生にも新たなマネージャーは入って来なかった。



スポーツで男子部のマネージャーといえば、一見華やかな響きを有するものの、実際の仕事はただの雑用係。



去年も今年も入部希望者はちらほら現れたが、結局は描いていた理想と違うと言ってみんな去って行った。



まあ、さすがに2人での作業にも慣れたけどね。



ちなみに理沙は、彼氏から男子だけの部活のマネージャーを禁止されているらしく、バスケ部にはいない。



片づけや洗濯等、一通りの仕事を終えた私達の勝負はこれからだ。



何しろ、この後は大好きな人とのデート(ただし未央だけ)なんだから。



髪の乱れはあってはならないことだし、汗臭さなんかもっての他。



清潔感のある女の子を演出するために、準備にに力が入る。



余りに気合いを入れすぎたのか、デオトランドスプレーが切れてしまった。


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