この手を離さない
「じゃあ、また月曜日にね」



未央達はバスで映画館へ行くとのことだったから、このまま正門で別れることになった。



駐車場へ向かう2人は、私達からある程度離れると手をつなぎ始めた。



そんな2人を見て、




「あの2人、実は仲いいよね。今朝も部室に荷物置きに行ったら、ラブラブでさ。中々入れなかったよ」



と冷やかし半分に軽口を叩き、光輝に同調を求めた。



しかし、光輝からの返事がない。



顔を覗き込むと、光輝は黙ったまま未央達の後ろ姿を見つめていた。


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