この手を離さない
なんて顔してるのよ……? 



あんな場面見て、まだ未央を好きだっていうの?


「光輝、私達も行こうよ」



光輝の袖を引っ張ると、



「ああ、そうだな。行こうぜ」



光輝は何事もなかったように歩き出した。



本人は、これでも態度に出してないつもりなのかもしれない。



それなら、私はとことん付き合うよ。



気づかないふり位いくらでもしてあげる。



だから、いつかは未央への想いをふっ切って私を見てよ。



この想いが届くと信じさせてよ。



言葉にできない願いを胸に秘め、私は光輝の背中を追いかけた。





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