この手を離さない
「それがさ、奈美が1人でキレてるから食べずにきた」
「はぁ?それは光輝がガキみたいなことばっかりするからでしょ?」
「理由も言わず何時間もむっつり黙り込む方がガキだろ!」
「まあまあ、2人とも落ち着いて。おなか空いてるから機嫌悪いのね。ちょっと待ってなさい」
光輝ママは台所へ立った。
「ガキ扱いするな!」
「ガキ扱いしないで!」
声をそろえる私達を交互に眺めながら、
「まったく、こんなに息ぴったりなのにあんた達ときたら」
お母さんが笑っている。
「小さい頃なんてお互いべったりだったのにね。昔は私達4人で、あんた達2人を結婚させようって話してたのよ」
と台所にいる光輝ママ。
ちょっと光輝ママ!
光輝の前でなんてこと言うの!?
と言いつつ、ちょっと嬉しかったりする私。
しかし、微かな期待を込めてちらっと光輝を見ると、お腹を抱えて笑い転げている。
「何言ってんだよ。俺と奈美であり得ない!だいたい奈美にだって選ぶ権利あるんだし」
期待した私がバカでした。
「私、手洗って来る」
と席を立った。
「あっ、奈美!戻って来る時ついでにタオルとってきて」
光輝は空気を読もうともしない。
ばか!
何がタオルだ!
何でこんなに鈍いのよ!
背中に突き刺さる母親2人の同情を込めた視線が痛い。
振り返るのが怖い。
「はぁ?それは光輝がガキみたいなことばっかりするからでしょ?」
「理由も言わず何時間もむっつり黙り込む方がガキだろ!」
「まあまあ、2人とも落ち着いて。おなか空いてるから機嫌悪いのね。ちょっと待ってなさい」
光輝ママは台所へ立った。
「ガキ扱いするな!」
「ガキ扱いしないで!」
声をそろえる私達を交互に眺めながら、
「まったく、こんなに息ぴったりなのにあんた達ときたら」
お母さんが笑っている。
「小さい頃なんてお互いべったりだったのにね。昔は私達4人で、あんた達2人を結婚させようって話してたのよ」
と台所にいる光輝ママ。
ちょっと光輝ママ!
光輝の前でなんてこと言うの!?
と言いつつ、ちょっと嬉しかったりする私。
しかし、微かな期待を込めてちらっと光輝を見ると、お腹を抱えて笑い転げている。
「何言ってんだよ。俺と奈美であり得ない!だいたい奈美にだって選ぶ権利あるんだし」
期待した私がバカでした。
「私、手洗って来る」
と席を立った。
「あっ、奈美!戻って来る時ついでにタオルとってきて」
光輝は空気を読もうともしない。
ばか!
何がタオルだ!
何でこんなに鈍いのよ!
背中に突き刺さる母親2人の同情を込めた視線が痛い。
振り返るのが怖い。