この手を離さない
そんな関係を当たり前と思い込んでいた私の常識を覆す事件が起こったのは、中学校2年生の夏休みだった。



私のお母さんが作りすぎた煮物を、秋元家におすそ分けしに行った時のことだ。



光輝は昔からこの煮物が好きだから、お母さんはいつもおすそ分けすることを前提に多めに作っている。



今ではもう、勝手知ったる光輝の家。



チャイムを鳴らし、返答が返って来る前にドアを開けた。



するとそこには、光輝と1人の女の子の姿があった。



2人もちょうど外から帰って来た所だったようだ。



< 5 / 191 >

この作品をシェア

pagetop