この手を離さない
いつものことながら、2人の言うことは正しい。


臆病な私。



光輝への想いを自覚してから、勇気が出せないまま8年の月日が経過している。



当時はボーイッシュと言われていたが、今は髪も背中まで伸び、真冬でも日焼け止めを欠かさないから日焼けもしていない。



外見はかなり変わったが、気持ちは少しも変わらない。




そろそろ、決着をつけた方がいいのかもしれない。



私だって、幸せな恋愛をしていつかは結婚したい。



子どもだってたくさん欲しい。



小さいころの1番の夢はお嫁さんだったし、今でも看護師になる夢の次にその夢は控えている。



もしこの恋が報われないのなら、いつまでも引きずっている場合じゃないのかもしれない。



私の中に定着している言い訳は『長期戦で行く』というものだが、8年という月日を前にこの言い訳もそろそろ期限切れかもしれない。



「うん。そろそろ、覚悟決めようかな」



私の突然の宣言に、未央と理沙は顔を見合わせていた。


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