この手を離さない
「なあ、なんで俺がこんな目に会わなきゃいけないんだよ!奈美!俺ってそんなに悪いことしたのか?こんな仕打ちを受けなきゃいけないようなことしたのかよ!」



「してない!光輝は何にも悪くない!運が……そう、運が悪かったんだよ、それだけだよ!」



「運が……って。そんな一過性のもので俺の人生奪われたのかよ!俺まだ21歳だぜ。就職だってこんな身体じゃできるかどうか……。俺はこれからどうすればいいんだよ!」



光輝が私の腕にしがみついた。



しかし、泣いてはいない。



私の身体を力いっぱい揺さぶりながら、決して涙は見せなかった。




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