この手を離さない
そして2日はあっという間に過ぎ、今日は日曜日。



なかなか覚悟は決まらなかったが、理沙達に背中を押され渋々病院に向かった。



病室に光輝ママ達はいなくて、光輝は1人でぼんやりと外を眺めていた。



「光輝、久しぶり……」



恐る恐る中に入ると、



「おう奈美じゃん!てか久しぶりって、まだ2日ぶりなだけじゃん」



人が緊張のあまり震えながら来たというのに、光輝はケロっとしている。



「あっこれおまえが持ってきてくれたんだろ?里芋の煮物。うまかった。おまえが作ってくれたって理沙から聞いたよ。ありがとう」



洗ってきれいになったタッパーを差し出した。



騒ぎのせいで煮物のことなんかすっかり忘れていた。



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