この手を離さない
「それだけじゃない。こんな体じゃ結婚できるかどうかすら分からないんだ。おまえの夢って、まさに子供をたくさん産んで、幸せなお嫁さんになることだろ?俺には1つも叶えてあげられないから……」



光輝の目は私の目をまっすぐに見据えていた。



「だからさ、健康でおまえのことちゃんと守れる男見つけて幸せになってください」



今の光輝にできる限界まで、深々と頭を下げた。



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