ソルト

「上がってもらいたいとこだけど、すぐ病院行かなきゃだからねぇ…夕飯作ってる最中だから、もう少し待ってもらってもいい?」

「大丈夫、私1人で行…」

「あ、俺、病院まで送りますよ」

「ええっ」


予想外の返答に戸惑う私を尻目にお母さんはじゃあ、と自転車の鍵を渡した。


「歩きだと迷惑かけるからせめて自転車に乗っていって」

「ありがとうございます、じゃあ」

「また来てね」

「あっ、はい」


また、なんて来るのだろうか。
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