ソルト
そう言って笑うと、和樹は違くて…と呟いた。
「どうしたの?何をそんなに悩んでるの?」
「…いや、ごめん、橘花に言っても仕方ないよな!なんでもないわ」
そう言って急に前を向いたので自転車が少し揺らいで、慌てる。
「ちょ、ちょっと!危ないよ、揺らさないで!」
「えー?なに?」
そう言ってわざと揺らす和樹に頭突きを食らわす。
あはは、と笑う和樹はいつも通りになった。
結局また家まで送ってくれると、和樹は帰って行った。
なんだか少しくすぐったくて、笑ってしまうような日だった。