ソルト
「気にしないでいいよ」
なんとか励まそうとすると、予想外の言葉が返ってきた。
「…本当は俺もめっちゃ楽しみにしてたんだよ」
「え…?」
「よっし、今日はなんでも奢るから、たんと食えー!」
ドキッとしたのも束の間、和樹はまたいつもの笑顔を浮かべ、そう言った。
「じゃあ、お言葉に甘えて!!まずは、お好み焼きとタコ焼きでしょー、あとは水飴と、かき氷と…」
私がふざけて指折り数える動作をすると
「ちょっとは遠慮しろよなー」
と肩を小突かれた。
やっぱりこのくらいの距離がちょうどいいんだ。
私もいつもと同じように笑うことが出来た。