砂時計
第五章 さよならは言わない
1
目覚まし時計の音に、ハッとして目を覚ます。
時計の針が音を刻むように、私の心臓の音も、命を刻んでいる。
彼の返事にうなずいていたならば……私は、どうなっていたんやろうか……?
彼が、私との約束をたびたびキャンセルしたのは、ふたりの間に温度差があったから?
彼が、忙しいのを理由に逢わなくなったのは、私との関係を自然消滅させたかったから?
彼が、毎日メッセージをくれていたのに、だんだんとおろそかになったのは、私にメッセージを返すのが面倒になったから?
彼が、『あいたい』と言いながら、私のメッセージを未読のままなのは、私を嫌いになったから?
違う。きっと違う。
私との約束をたびたびキャンセルしたのも、忙しいのを理由に逢わなくなったのも、メッセージがおろそかになって、未読のままなのも……。
別人のように痩せてしまったのも……。
彼が、望んだことやない。そうせざるを得なかったに違いない。
これは、夢やない。
今夜、もし彼に逢って、私が『イエス』と言ったら……。
私もモノクロームの世界の住人になれるような気がする。
時計の針が音を刻むように、私の心臓の音も、命を刻んでいる。
彼の返事にうなずいていたならば……私は、どうなっていたんやろうか……?
彼が、私との約束をたびたびキャンセルしたのは、ふたりの間に温度差があったから?
彼が、忙しいのを理由に逢わなくなったのは、私との関係を自然消滅させたかったから?
彼が、毎日メッセージをくれていたのに、だんだんとおろそかになったのは、私にメッセージを返すのが面倒になったから?
彼が、『あいたい』と言いながら、私のメッセージを未読のままなのは、私を嫌いになったから?
違う。きっと違う。
私との約束をたびたびキャンセルしたのも、忙しいのを理由に逢わなくなったのも、メッセージがおろそかになって、未読のままなのも……。
別人のように痩せてしまったのも……。
彼が、望んだことやない。そうせざるを得なかったに違いない。
これは、夢やない。
今夜、もし彼に逢って、私が『イエス』と言ったら……。
私もモノクロームの世界の住人になれるような気がする。