砂時計
2
雪は解けて、暖かな風が春を運んで、桜の蕾を膨らませる季節になった。
自分自身には、春の足音さえ聞こえない。
毎日、メッセージを送ることすら辛くなってきた。
『ありがとう』
『お疲れ様』
そんなメッセージのついたスタンプを送るのが、精いっぱいの日々。返信が届いても、未読のまま、朝を迎えることが増えてきた。
木々がザワザワと揺れ、外に出なくても風が強く吹いているのがわかる、朝。
どんなに辛くても、苦しくても、春が来るまでは弱音を吐かないと決めたのに。
心身ともに限界を迎えていた。
『あいたい』
その四文字を、震える指先で綴ると、自然に涙がこぼれた。涙がこぼれて、酷く咳き込んだ。
その刹那、手にしたスマホが、真っ赤に染まった。
自分自身には、春の足音さえ聞こえない。
毎日、メッセージを送ることすら辛くなってきた。
『ありがとう』
『お疲れ様』
そんなメッセージのついたスタンプを送るのが、精いっぱいの日々。返信が届いても、未読のまま、朝を迎えることが増えてきた。
木々がザワザワと揺れ、外に出なくても風が強く吹いているのがわかる、朝。
どんなに辛くても、苦しくても、春が来るまでは弱音を吐かないと決めたのに。
心身ともに限界を迎えていた。
『あいたい』
その四文字を、震える指先で綴ると、自然に涙がこぼれた。涙がこぼれて、酷く咳き込んだ。
その刹那、手にしたスマホが、真っ赤に染まった。