砂時計

2

こうして、私と彼の不思議な付き合いが始まった。友だちでも、恋人でもない。でも、彼と一緒にいるとなんだか癒された。

今まで付き合った男性とは、全く違うタイプの人だった。とにかく私には甘く、優しい。お姫様扱いされて、いい気になっていたのかもしれない。彼を好きになるまでに、大して時間はかからなかった。

彼は『告白する』とか言いながら、なかなか告白する気配がなかった。

『付き合おうよ』

五回目のデートのとき、しびれを切らした私から、ついに告白してしまった。

彼ったら、男らしさの欠片もなく、観覧車の中で男泣きした。

『もう! しっかりしてよ?』

そう言った私も、恥ずかしながら涙目になっていた。


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