Life
あたしとルイ


つまんない。
つまんない。
つまんない。

慌ただしく街を行き交う人達は皆、時間ばかり気にして足早に通り過ぎてく。

何でそんなに必死になるんだろう。

考えれば考えるほど
分からなくなる。


そんな人の中には当たり前だけどあたしと同じ
制服を着た学生もいる。

うん、必死に走ってんな。遅刻したら単位がなんたらで五月蠅いもんな。
‥馬鹿みたい。

学校でろくに役に立たない勉強をするより
こうして街中で人間観察する方がプラスになる。‥あたしは、だけど。

良い学校行って
良い成績取って
良い大学あるいは会社に就職して


……やめよう。
頭が痛くなる。


「今月一回も行ってないやー」


当然、こんな屁理屈ばっかりのあたしは学校なんか行くはずない。

まぁ別に
親はこんな娘知らねーみたいに思ってるらしく勘当同然に家追い出されたし、(家帰ったらあたしの部屋中、段ボールだらけだったのはさすがに焦ったな)
誰も、とやかく言わない。結構、楽。

だけど‥


「これ、は不便。」


手首から肩にかけての腕に残る無数の傷。
真新しいのから、古いのまで。


口五月蠅い人間がいないのは清々するが、
コレを止めてくれる人間がいない、のはかなり不便。というか、ちょっと寂しい。


まあ、友達はそれなりにいるけど‥
何ていうかな、深い友達、うん‥親友ってヤツは、16年間の中で一度も出来た例がない。

‥てか、いらない。


「さあて、家帰って寝よ。」


時刻は8:11
通勤通学ラッシュの道を避けて、私はマイホームへと帰ることにした。




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