Life
今日は遠回りしたい気分。‥天気もいいし。
まあ、あたしは雨の日のが好きなんだけど。
ゆっくりゆっくり
歩いてく。
歩道橋のある大通りに差し掛かったとき、
「!」
何でだろう。今でも分からない。
とりあえず考えるよりも先に体が動いてた、みたいな。
「…あっぶなーい!」
「えっ‥?」
……間一髪。
てかあたし、格好良くね?
「大丈夫?」
「あ、ごめんなさい…。
ありがとうございました!」
「ううん。怪我ないよね?」
「はい。」
「なら良かった。」
「本当にありがとうございました!」
「良いって良いって!」
うっわー‥すっげえ美少女。人形みてえ。
「えっと‥」
徐に立ち上がり何かを探している素振りを見せる美少女。
「ん、…あ、もしかしてコレ探してる?」
あたしの近くに落ちていた杖を拾い、美少女に差し出す。
「あ、ありがとうございます!」
少し違和感のある笑顔を浮かべて美少女は手探りで、杖を探がしてる。
もしかして‥
「目、見えないの‥?」
「………はい。」
そっか、と呟いて
美少女の手に杖をしっかりと握らす。
「不安だし、送るよ。
家どこ?」
「えっ、そんな‥悪いですよっ!」
「いいから、
どうせ暇だし。」
「それじゃ、お言葉に甘えて‥」
杖を握る手と反対の手を繋いで、美少女の道案内を後ろから聞きながら
引っ張るようにゆっくりと前を歩いた。