Life
風が吹く度、絡まる髪を鬱陶しそうに整えては私達はひたすら歩いていた。
ふと思い付いたように私は口を開く。
「そーいえばさ、
名前なんてーの?」
「あ、ルイです。
日下ルイ。」
「ルイかー。
あたしは水城伶奈。
伶奈でいいよ」
「はい!
あのー‥歳幾つですか?」
「幾つに見える?」
「……うーん18歳くらい、」
「ぶっぶー。
16歳だよ。」
「えぇっ?!‥同い年?!」
「えぇっ?!
年下だと思ってた。」
「私は年上と思ってた‥」
初対面なのに、何でだろう‥
ルイになら私の全てを話したくなる。
人に興味を持たなかった私が、
…不思議だ。
するとルイが足を止めた。
「着きました。」
「えっ‥あ、本当だ。」
ある一件の家の表札には"日下"と書いてある。
「でもさ、何で分かるの?」
「歩数です。」
「歩数?」
「はい。細かくは数えてませんが、あの横断歩道から大体このくらい歩いたら家だな、って」
成程、と声には出さずに関心していると
ルイが不思議そうにあたしを見てこう言った。
「上がって下さい。
もう少しお話ししましょう。」
「いいの?」
「はい!」
屈託のない笑顔を見せて、私を家に招いた。