シンジツ
いつものスーパーに行こうとしたが、そこは桜駕がよくお菓子を買いに行くスーパーだから、やめといた。
ちょっと遠くに行こう。
身体がボロボロだけど、桜駕に遭遇するよりマシ。
早く帰らなきゃ、また父親が怒る。
そう思ってちょっと遠いスーパーで買い物をしてた、とき
「どーれーにーすーるーのー?」
沙希(さき)の声が聞こえた。
赤嶺 沙希(あかみねさき)
桜駕の唯一女幹部で、学校では私といつも一緒に行動してくれた子。
私の相談相手だった子。
私の…たったひとりの友達。
沙希も、私が桜駕を裏切ったと思ってるんだよね。
そう思うと、涙が出てきた。
沙希がいるってことは、みんないるってことだよね。
桜駕と会わないようにこっちのスーパーにしたけど、桜駕も同じ考えだったんだ。
「ごめんね、沙希。ばいばい」