ココアの甘さ
「あの、良かったら少しお話しませんか?」

なんて突然声をかけられて、でも彼は自然と私の中に入ってきた。
それからこの曖昧な関係が続いて約1年。

彼のことをどう思っているのかと聞かれたら、答えは間違いなく"好き"だ。
でも私は、彼に告白するつもりなんてない。

その理由が先の会話に戻る。

「奥さんを独り占めしたいから結婚するのに、他の男と接してたら嫌だよ。少なくとも俺はね。」
「それなら、結婚相手の理想は家事が得意で仕事を辞めてくれる人ってことね。」
「まあそうなるかな。」

ほら、だめじゃない。
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