ココアの甘さ
ベンチに座った恵介の間に一人分のスペースを開けて隣に座る。
「何で空けるんだよ。」
「な、何となく。」
はぁ、と母に続いて本日二度目のため息をつかれて、恵介が側に来る。
「あのさ、分かっててやってる?それとも本気で気づいてない?」
「な、何が。」
「俺が、美華のこと好きだってこと。」
頭が真っ白になる、というのはこんなことなのか。
一人で妙に納得して、けれど恵介の発言を思い出して。
「け、恵介、大丈夫?もしかして薬の副作用とかで頭おかしくなってるとか...」
「ばーか。医者ならそんなことないって分かるだろ。
本気で気づいてなかったのかよ。」
「だ、だって。恵介は働かない専業主婦の人が理想だって。」
「あんなのはただの理想。結局は理想と好きになる人なんて違うんだよ。」
「何で空けるんだよ。」
「な、何となく。」
はぁ、と母に続いて本日二度目のため息をつかれて、恵介が側に来る。
「あのさ、分かっててやってる?それとも本気で気づいてない?」
「な、何が。」
「俺が、美華のこと好きだってこと。」
頭が真っ白になる、というのはこんなことなのか。
一人で妙に納得して、けれど恵介の発言を思い出して。
「け、恵介、大丈夫?もしかして薬の副作用とかで頭おかしくなってるとか...」
「ばーか。医者ならそんなことないって分かるだろ。
本気で気づいてなかったのかよ。」
「だ、だって。恵介は働かない専業主婦の人が理想だって。」
「あんなのはただの理想。結局は理想と好きになる人なんて違うんだよ。」