スターチスのように
夜になり、見張りは居眠りをしている。



冷たい空気でこごえそうに寒い牢屋の中ローズはどんよりと座っている。




(わたくし、本当は平民なんですの?じゃあ、本当のお母様たちはどこにいらっしゃるの?わたくしは一人ぼっちなんですか?)



ローズがエメラルド色に輝く瞳に涙を溜めた。



その時、レオが歩み寄ってきて自分の上着をローズにかけた。



『協力してここから逃げるぞ!!』



(私のせいでこんなところへ入れられたっていうのに…それなら…)



『えぇ…』



ローズは外に向かって唄を唄った。
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