スターチスのように
『ひどいわ。』



『ローズ!!』



『お父様、どうなさいましたの?』



『お前の婚約が決まったぞ。』



『えっ?どなたですか?』



『ルフェーブル国のライアンだ。お前達は幼なじみじゃったから知っておるじゃろ?』



『はい、知っています。ですが、婚約というのは好きな人とするものです。わたくしには好きな人がいるんです。』



『じゃが顔が思い出せないんじゃろ?なら諦めろ。』



(ライアンは絶対に嫌よ。だって私の好きな人のこと嫌ってるもの…)



『わかりました。わたくしの好きな人はレオですの。』



ローズはそういいながらレオのネクタイをグイッと引っ張った。



『えっと?ローズさま?』



『身分が違いすぎる。』



『なんでですの?わたくしはレオが好きなのに…』



『お嬢さまでしたら無理やりキスをしても嫌がらないんですよね?』



レオはそう言ってローズの肩を壁に押し付けた。



[ドンッ]



『キャー』



そして、あごをくいッと上げた。



『レオ…お願い、やめてあなたにも好きな人がいるのでしょう?』



『ええ、そうですよ。』



(ローズ、無理矢理でごめん)



その後に自分の唇をローズの唇に重ね合わせようとしてギリギリのところで止めた。




すると、ローズの頭にレオ達との思い出がよぎった。



『ローズさま冗談です。ごめんなさい痛くはありませんでしたか?』



『レオのバカ、無理やりなんて嫌に決まってるでしょう?』



『ローズさま?』



『いつも通り呼んでくれない?記憶…結構早いけど戻ったみたい。』



『ローズ!!戻ると思ってた。』



『ローズ、記憶が戻ったのか。』
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