スターチスのように
『荷物は俺が持つから』



『うん、ありがとう』



『ローズはぐれるといけねぇから…んっ!』



レオはそう言いながら手を差し出した。



『ひどい!!私、そんなに子供じゃない!』



『どこが?お前、目を離すとすぐにどっか行くだろ?』



『行かないよ!!手をつないだら子供みたいだからいや』



ローズがそう言うと、レオは『そうか…俺の事がそんなに嫌いなのか。』と言ってわざと落ち込んでるみたいにした。



『わかった。はい、手貸して!!』



その後二人は森の中に向かった。



周りを取り囲む木々が森に影を作ってる…



葉の間から差し込む太陽の光のせいかレオが輝いて見える。



『好き…』



聞こえないほど小さな声でそう呟いた。



しばらく歩くと暗くなった。



『レオ…ここ暗いね。』



(どうしよう。私、暗い所苦手なのに…怖いけどレオの仲間だから言えない)



ローズがそう考えていると、鳥が飛び立った。



[バサッバサッ]



ローズは怖くなりレオに抱きつきながら叫んだ。



『きゃ〜!!怖い!!』



『ローズ、俺とお前がどんな関係か知ってるよな?奴隷はご主人様に泣きつくな!!』



『ご、ごめんなさい』



『まっ今回だけは許してやる。たしかにもう暗いしここらへんで寝るか?』
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