星の街に君と私
紙をめくる音と、布がこすれる音がした。

足音がだんだんと近くになってくるのを感じて、私は急ぎ足てリュックを肩にかけ、階段を駆け下りた。足先がかじかんで、残り一段で転びそうだった。

冬が追いかけてくる10月。さすがに廊下で演奏を聴くのは酷な季節だとおもう。来月いっぱいで聴き納めかと思うと、淋しい。

ブランケットでももってこようか?

そこまで真剣に考える自分に少しおかしさを感じつつも、サドルに腰掛け、勢いよく歩道にでた。

正直、ここまでピアノに、魅了されるとは思ってなかった。演奏会を知るまでピアノには、ほとんどと言うほど知識はなかったし、自らピアノの演奏を聞くだなんて有り得なかった。自分は、体育会系だと思ってたし、おしとやかなタイプでも無い。そんな私が、家に帰ってからもピアノの曲を聴くようになった。 まだまだ知識は少ないけど。





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