星の街に君と私
家族と夕食をとり、お風呂から上がり、そのホクホクになった体をベットへ滑り込ませ、

ピアノを聴く。

でも、演奏会のピアノじゃなきゃ満足出来ないし、ぴたりと収まる感覚もない。
まぁ、何も無いよりかはましかと思いつつ、イヤホンを付け直した。
温かい音色、
ゆるりゆるり、
体の隅々まで音が行き渡った。
そのまま、眠ってしまったのも言うまでもない。




そんな、ピアノ漬けの生活が、はじまってから毎日がなめらかに進んでいく気がした。

ピアノに魅力されればされる程、やはり演奏者が気になる。私を夢中にさせているのはだれだろう。気になってきになって仕方ない頃、私は幼なじみの夏樹に演奏会の事を話した。

｢咲がピアノねぇー？｣

………。

｢やっぱギャップある？｣

夏樹はお弁当のサンドウィッチを頬に詰めながら、間抜けな声で

｢そりゃーね。｣

という。それに付け加えて

｢だって、あの咲だよ？名前は女の子だけど、性格もろ男｣


夏樹のストレートな言動に、まぁ、当たり前かと思いつつも本題に入った。

｢夏樹はさ、誰だと思う？弾いてんの｣

ぴたりと食べるのを辞めて、夏樹は私と向かい合った。












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