星の街に君と私
それからというもの、全くダメだった。
月に何度か、調子が悪いこともある。
その度、メンタル鍛えなきゃと思う。
それの繰り返し。進歩がない。
そこにも私はへこんだ。


鍵当番だった私は、部室の戸締りをして音楽室へと向かった。



ぺたりと音楽室前の冷たい床に座り込み、俯くと、何も考えたくなくなった。廊下の冷えきった空気は、部活で帯びた熱を素早くさらっていく。



あぁ、この音色。


まただ。ぴたりと収まる。

落ち込んだ、藍色の胸に
白くてふわりとした布を掛けてくれるような。
白い綿で覆うような。

まるで、私を見ていたかのような選曲。
声を上げて泣きそうになるのを必死にこらえる。
肩がヒクついて上手く息ができなかった。演奏が止んだとおもうと、


ふわり。

肩に何かかかった。

白いやわらかい、ブランケット。

演奏者が、掛けてくれたのだ。私は恥ずかしさもあって顔を上げられなかった。
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