チョコの中身*短編*
「なんで食べてあげないの、可哀想でしょチョコもあたしも」
「いや、それは………今年のチョコは食べた俺が可哀想なことにならないか?」
「殴るぞ」
拳を構えるとぶつくさ文句を言いながらも机の上の袋に手を伸ばす。
「お、今年のチョコじゃん」
「今年も頑張って開けろよー」
いつの間にかできたギャラリーにシッシッと彼は追い払う動作をして、袋に手をかけ
「びっくり箱的なやつじゃないよな?」
「いいから早く開けんかい!」
とうとうつっこみ炸裂。
こいつは本当に男なのか、女々しいやつめ。
恐る恐る開いた袋はなにかが飛び出してくるわけでも、爆発するわけでもなく、いたって普通に開かれた。