チョコの中身*短編*
「…普通、だな」
「でしょ?さっ、食べて食べて」
「良かった、今年は蜘蛛とか入ってなくて」
「入れないよ、あれ捕まえるの大変だったんだから。さあ、どうぞ召し上がれ」
「はー、さて次の授業の予習でも…」
「食えよ」
立ち上がりかけたやつの肩を押さえつけ、口にあたし作のチョコを放り込む。
「うぐっ、毒を盛られた…ん?」
苦悶の表情がだんだんと怪訝な表情に、最後は目を見開いて驚きの顔だ。
「美味い!え、なんで、どうした!?」
「だから言ったじゃん、あと三つどーぞ」
差し出したチョコに今度は素直に手を伸ばす。
最後の一個が口内へと消えた。