佐伯くんの好きなヒト
いくら夜だとはいえ、こんな道端で1人で泣いていたら周りの人に不審がられる。
泣いていてもそこら辺の冷静さはまだ持っていたため、近くにあった公園のベンチに座った。
なんとなくスマホを手に取って、なんとなくカメラロールを開く。
そこには、この数ヶ月で撮った佐伯くんとの思い出の写真が沢山あった。
一緒に食べたご飯や、一緒に見た景色。
自分達が写ってる写真は、笑っていないものがない。
信じられる…?
これ、両想いじゃないんだよ。
この状況でそんなことを考える私は、どうかしているのかな。