佐伯くんの好きなヒト
「…え、えーっと…?あの、さ。それ、どういう意味かわかってる?」
驚いたようにそう尋ねる佐伯くん。
そんな彼にこくんと頷く。
もう決めてしまった。
この人と一緒にいたいと。
「簡単に言えば身代わりだよ?それにこの年だし、キスだけじゃ終わらないんだよ?」
私が頷いてるのに、佐伯くんは何度も何度も確認をする。
「それに俺が君を好きになる保証もない。ずっと美優が忘れられないかもしれないし、もしかしたら君以外の人を好きになるかもしれない」
「うん、それでもいいよ」
ここまで言うのも、彼なりの優しさだと思うから。
私はあなたと一緒にいたいの。