佐伯くんの好きなヒト
「ペース速かったよな。ごめん」
「ど、どうしたの急に…」
「いや、ちょっと」
自分でもよくわかっていない。
でも、あの男とミユが一緒にいるのを見たくなかった。それだけは断言できる。
だから、
「あ、ミッキーから電話…」
「……ッ⁉︎」
ミユからあの男の名前が出た瞬間、俺は彼女のスマホを奪ってそのまま路地裏に引き込んだ。
「ちょ、さえ……んんっ」
そのまま夢中で彼女にキスをする。