佐伯くんの好きなヒト
ぐるぐるとそんな疑問に襲われて、頭がおかしくなりそうだった。
けど、それでも美優さんを嫌いになれないのは、佐伯くんの大好きな人だから。
「いーじゃん。奏多のケチ」
「あほ。俺は正論言ってるんだぞ?」
私が好きになったのだって、美優さんを想う彼に惹かれたからだし。
だから、とやかく言う権利なんて私にはない。
「そんなこと言って〜。私が来なかったらご飯作ってって呼ぶくせに〜」
「ばっ…、それは…!」
これくらい、平気。