【短】セント・ミステイク
よく見てみると、両肩に伸びている蜂谷の両手がカタカタと小さく震えてる。


その様子を見ていたら、蜂谷の言葉をウソだと思う気持ちなんて湧いて来なかった。


そりゃあ1年近く毎日の様にケンカしてきて、いきなり好きって言われて、ビックリしたけど――――…なぜだか素直に信じられる。


蜂谷は本音で、私に好きだと言ってくれている。


そして私も、蜂谷が好き。


「………トリュフだけど、文句言わないでよ」


また潤み始めた瞳を見られない様に、ゆっくりとチョコの箱を差し出した。


「………えっ?」



「私も好きだよ………蜂谷」
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