100年分の恋の言葉
用意を済まして時計を見ると、いつもより15分早く準備が終わった。

朝から家にいても何もすることがない幸は早めに家を出た。

駅まで歩いて電車に乗り、学校に向かった。



教室に入ると予想はしていたもののやはり一番乗りだった。

「早く着きすぎ」

机の上に鞄を置いた。

原くん
会えるかな…?

小さな期待を抱いて、あたしは教室で誰かが来るのを席に座って待った。

「おっはー」

「はよーっす」

「グッモーニン!さっちん」

甲高い声に続き、低めの声、そしてばかのようなセリフが教室に飛び交った。


声で分かった。
声の聞こえたドアの方を見た。

芽衣と京介と直哉の姿である。

やっぱりね。

「おはよ! 」

席を立ち上がり芽衣に駆け寄った。


< 20 / 43 >

この作品をシェア

pagetop