100年分の恋の言葉
2人は急いで席に着くと授業の用意をした。

先生も入って来て、授業が始まった時だった。

ブブブッ――。

スカートのポケットの中で携帯が静かに震えた。

先生に気付かれないように、そっと携帯を出して開いた。

送って来た相手は、予想していなかった原くんからだった。

原くん!?

受信:原くん
《放課後開てへん?》

送信:原くん
《開いてるよ》

受信:原くん
《屋上来て》

送信:原くん
《了解しました》

そして原くんとのメールは途切れて、あたしは先生の話なんかそっちのけで、屋上来て、の意味を考えた。


結局その1時間で答えが出るハズもなく、あっという間に放課後を迎えた。

「あたし今日、海と帰るからパス」

いつものメンバーに芽衣は片手を上げて言うと、廊下に出て行った。

「あー…あたしも用事あるからパス!じゃ、バイバイ」

あたしは芽衣に続いて言うと、机の上の鞄を無造作に手に取り、教室を出て屋上に走った。


屋上に繋がるドアをゆっくりと開けると、そこには原くんの姿が目に映った。

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