100年分の恋の言葉
「無理させんの嫌やし」

原くんは苦笑いをして、あたしから視線を外した。

「無理とかしてないよ…。なんて言うか、側にいたい…みたいな?」

言ったこともない言葉を口にした為、恥かしくて少しはにかんであたしはそっと俯いた。

沈黙が訪れてあたしは、心の中で気まずいと思ったけど顔を上げて、あたしよりも背の高い原くんの顔を見上げた。


原くんは、目を細めて穏やかな笑顔であたしを見つめていた。

あたしはその笑顔に、キュンと抱いたことのない感情を覚えた。


「ありがとな。幸」



幸って呼ばれた。
初めて原くんに呼ばれたよ。


好きじゃないのに嬉しくて


好きじゃないのにドキドキして


好きじゃないのに幸せで


好きじゃないのに
あたしの心臓は、保たないよ…?







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