俺様上司は溺愛体質!?

「えー、マジかよ……」
「連盟ご指名ってありえんだろ。いったいあの人の人脈ってどうなってんだ」
「俺たちじゃ逆立ちしたって無理じゃん。あー、俺も留学できるような金持ちの家に生まれたかったなー」

(なんだかモヤモヤするんですけど……。)

 他人の噂話を盗み聞いておいてなんだが、ちとせは嫌な気分になっていた。

(留学したからコネがある? こじつけもいいとこだわ。留学なんて今時そんな珍しいものでもないでしょ……結構いるでしょ……。)

「いや、でも今度の新プロジェクトこけたらさすがの真屋も傷がつくよな」
「あー、だからか。常務以外の取締役が許したのも、真屋さん引き摺り落として常務派閥の力削ぐためだって聞いた。だから最低数の人間しかプロジェクトに入れてないらしい」
「うわっ、えげつなー」
「だったら俺たちが迷惑被るわけじゃなし、あの人が失敗するとこ見てみたいわ」
「確かに」

 二人はゲラゲラと笑っている。


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