俺様上司は溺愛体質!?

 一方ちとせは怒りのあまり観葉植物の下で震えていた。悔しさのあまり目には涙すら浮かぶ始末だ。

(いくらなんでも酷すぎる……。失敗するとこ見てみたいなんて、同じ会社の人間の言うこと!?)

 ちとせは意を決して立ち上がった。

(あんな暴言許しておけない。私だって真屋さんのチームの人間だ。断固抗議だ!)

 そして足を一歩踏み出そうとした瞬間、

「おいお前らー。その辺にしようぜ」

 営業部から顔を出したのは伊東であった。

「愚痴なら外で聞くからさ。飲みに行かないか」
「伊東! そうだな飲んで憂さ晴らしするしかねーな!」
「そうだそうだ! ど平日だけど飲むぞー!」

 伊東の適度なガス抜きで、噂をしていた二人は気が紛れたのか営業部へと戻っていく。

「行っちゃった……」



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