俺様上司は溺愛体質!?





「ちーちゃん、ウロウロしすぎだって。落ち着きなよ。それじゃまるで奥さんの出産を待ってる旦那さんだよ?」
「潤、ある意味それ正しいわ。私にとって初企画書だもん。我が子も同然よ」
「……はぁ」

 これはダメだと肩をすくめる潤だが、実際ちとせは昨晩からご飯も喉を通らないくらい緊張していた。

 今日はいよいよ真屋時臣が商品開発会議でプレゼンをする日である。
 
 取締役はもちろんのこと、営業や広報などの部署の責任者が一堂に会する会議なので、真屋時臣一人で臨んでいるのだ。

 壁にかかっている時計を見上げた。

 会議が始まったのが午後三時で、すでに五時を回っている。

 プレゼンをするのが第三だけではないので時間がかかるのは当然なのだが、ちとせの緊張はピークだった。
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