俺様上司は溺愛体質!?

(どうしよう……私の資料、大丈夫?)

 不安で胃が痛い。
 元は自分の思いつきである。
 失敗したら……そう考えただけで倒れそうだった。

「はぁ……おなかいたい……」

 そうやって、しばらく第三の中をウロウロしていたちとせだが、もう我慢の限界だった。
 ただ待っているのが辛すぎた。

「ごめん、潤。ちょっと会議室見に行ってきていいかな?」
「もう、仕方ないなぁ。終わってなかったらすぐ戻るんだよ?」
「うん!」

 ありがとうと言ってちとせは第三を飛び出した。
 
 今日使われている会議室は二つ上の階だ。

 エレベーターを待つのももどかしく、階段を駆け上るちとせだが、二つ目の踊り場をぐるりと回った所でドスンと壁のような何かにぶつかった。


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