俺様上司は溺愛体質!?

「きゃっ!」
「あ、萩原さん!」

 後ろに倒れそうになるのと同時に、肩がつかまれ前に引き寄せられた。

「ごめん、大丈夫?」
「いたた……あ、伊東さん?」

 どうやら階段を降りてくる伊東とぶつかってしまったらしい。
 前方不注意だったのは自分である。慌てて体勢を整え、頭を下げた。

「ごめんなさい、私、前見てなくて。怪我とかしなかったですか?」
「いや、俺は全然大丈夫だよ。むしろ萩原さん大丈夫? 鼻のあたま赤いけど」
「えっ」

  伊東の指摘に顔が真っ赤になる。

 なぜ自分という人間はいつも人からからかわれてばかりなのか。どれだけボケているのか。
 きっと突っ込みどころ満載なのだろう。


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