俺様上司は溺愛体質!?
「あ、トイレ、いや、遠いっ……」
直さなければと慌てるちとせに、伊東着ていたスーツの上着を脱ぎ、ちとせの前に広げた。
「あの、もう見ないから、直して」
「えっ、す、すっ、すみません!」
ためらい八割だったが、ここまでしてくれた伊東の好意を無下にすることもできず、ちとせは慌ててストッキングを引っ張り上げて留める。
毎朝やっているので慣れたものだ。
スカートの乱れも直す。
「できました。すみません、その、何度もみっともないところを……」
穴があったら入りたい……。そんな気持ちでちとせはペコペコと頭を下げた。
「いやいや、なんか、見ちゃってごめん……けどドキドキした……かな」
「えっ?」
「ああーっと、その、変な意味じゃなくて。意外な一面っていうか、そんな感じで」
「意外な一面……」