俺様上司は溺愛体質!?
(なるほど。やっぱりガーターというアイテム自体にすごくキャラクター性があるってことよね。だからつける人によってどうとでも物語が変わるというか……。)
ジャケットの内ポケットからメモ帳を取り出し、慌てて伊東の言葉を書き付けた。
「……萩原さん?」
「伊東さん、ありがとうございます。それ勉強になりました」
「勉強? いや、そうだ、あ、あのちなみに今日なんだけどさ」
「萩原」
凛と低い声が頭上から響く。
振り仰ぐと階段の上に真屋時臣が立っていた。
「真屋さん! 終わったんですか!?」
伊東に会釈して階段を登る。今度は気を配っだ。けれどつい浮き足立ってしまう。
「どうでした? その……」
気になってここまでやってきたくせに、いざ真屋時臣を目の前にすると緊張する。