俺様上司は溺愛体質!?

 ジッと彼の目を見上げると、真屋時臣は不敵な微笑みを浮かべた。

「ゴーサインが出た」
「っ……」

 悲鳴が出そうになった。思わず両手で口元を抑える。

「よく頑張った。これはお前の力だ」
「やだもう、そんな急に褒めないでくださいっ……」
「そうか? じゃあやめとくか」
「あ、今のなしです、やっぱり褒めてください、こんな機会そうないから」
「褒めるなとか褒めろとか、我が儘な女だな」
「う……」

 それから真屋時臣はちとせの肩から向こうの階下を見下ろした。伊東の姿はもうない。

「……意外とお前も罪な女だ」
「どういう意味ですか?」

 罪な女とはどういうことだ。
 確かに伊東には少しばかり迷惑をかけたが、そのことだろうか。

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