俺様上司は溺愛体質!?
顔を上げると、椅子にゆったりと座った真屋時臣がスマホを弄びながら自分を見つめている。
「明日の夜、空いてるか」
「と、申しますと」
「ご褒美だ。レストランを予約した。夕方七時に迎えに行く」
「……」
思わず動きが止まってしまった。
当然言われた言葉が信じられず、マジマジと真屋時臣の顔を見つめ返したが、彼はまたいつものように平然とした様子でちとせを見つめ返してくる。
「返事は?」
「は、はいっ! 絶賛あいています、お待ちいたしております!」
「じゃあ気をつけて帰れ」
「はいっ、お疲れ様でございます!」
バッグを肩にかけて、第三を出た。