俺様上司は溺愛体質!?
(ご褒美! えっ、本当にちゃんとしたご褒美なの!? だって真屋さんのことだから、仕事にかこつけた、何かこう、勉強的なものだと思ってた……。)
頭の中がぐるぐると回る。
足元がふわふわする。
自分でも浮かれているのがわかるが、これが浮かれずにいられようか。
(こうしてはいられない!)
俄に寄って帰るどころの話ではなくなった。
急いで駅に向かい、併設されているショッピングビルに入る。
輸入雑貨店で入浴剤やフェイスパック、美容ドリンクにボディミルクまで買い込み、独り住いのマンションの部屋に帰ったちとせは、その夜久しぶりに浴槽にお湯をためた。
(どうせなら精一杯きれいな自分でデートしたい……。いや真屋さんはデートだなんて思ってないだろうけど! 私一人大興奮なんだろうけど!)