俺様上司は溺愛体質!?
キスしたい背中

 いつもより早めにベッドに入ったちとせだが、さすがに疲れていたらしく朝までぐっすりだった。

 鏡を覗き込むと、久しぶりにクマのない自分がいてほっとする。

 ティーシャツと短パンの部屋着に着替えて、久しぶりに洗濯機を回す。大量の洗濯物を干し、それから荒れ放題だったワンルームの掃除をする。冷蔵庫の中も整理して、気がつけば夕方の五時になっていた。

「やっと人間らしい部屋になったけど……もうこんな時間!?」

 慌ててシャワーを浴び、パックをしながら髪を乾かし、メイクに取り掛かる。

 素材がいたって普通なので気合を入れたところでたかが知れているのだが、やはり手間暇をかけるのは純粋に楽しい作業だ。
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