俺様上司は溺愛体質!?

 いつもはバレッタでまとめている髪も、念入りにブローしてからふんわりと巻き、ゆるくアップにした。そして丁寧にガーターベルトをつける。

 だがちとせの本番はここからだった。





「まさかもう出番が来るとはね……」

 クローゼットからうやうやしく取り出したのは、イタリアの某高級下着のロングブラジャーである。
 勉強を始めたときに、スリーインワンやボディスーツと一緒に購入したものだ。

 ロングブラジャーは肩紐がなく、後ろがウエスト近くまで下がっているので背中が開いたドレスに最適なのだ。

 ちなみに値段のことは考えなかった。無慈悲な夏のボーナス一括払いである。

「さて、どうかなぁ」

 ドレスは、黒の背中が大きく開いたワンピースで、まだ一度も袖を通していない。
 買った時は中にチューブトップでも合わせようと考えていたのだが、やはり背中を出すドレスなら出したほうがいいに決まっている。
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